こんにちは。「簿記」指導暦33年の 天陽 と申します。ここでは、簿記の基礎を学習する、あなたのために、気をつける点などをまとめていきます。
はじめに
目標・目的を明確にすること
この記事を読んでいただいているあなたは、何のために「簿記」の学習を始めるのでしょう?
・ 就職活動に役立てる。
・ 税理士や公認会計士を目指す。
・ 趣味の一環として学習する。
・ 企業の損益対照表や貸借対照表を読めるようになりたい。
・ 財務分析ができるようになりたい。
・ 自分の会社の確定申告ができるようになりたい。
さまざまだと思います。私の場合は、高校の社会科教員として赴任したつもりが商業科教員としての採用であったため、とにかく教えなければならなかったから。という大変な目的でした。田舎の学校への不振であったため、会計学校などが付近にあるどころか、本屋さんですらない地域でありました。よって、私はすべて独学で「簿記」を学習し、生徒たちにわかりやすく伝えるという目的で「簿記」をはじめたわけです。まったくの基礎からはじめました。おまけに2年生に2級の範囲から教えなくてはいけませんでした。赴任が決定したのが3月7日。最初の授業が4月10日からでしたので、1ヶ月で3級の範囲は少なくとも完璧にしないといけない状況でした。しかし、1ヶ月で3級は可能でした。まったく0の状況からはじめてもできるようになりました。しかし、本当の意味で理解したのは、1級の範囲まで教えきって、次の1年生に3級の基礎を教えだしてからなのです。前置きが長くなりましたが、ここではそれぞれの目標・目的のある方々のために、「簿記」の最初で自信がつくようにするべきこと。したほうがいいだろうなと思う「コツ」についてまとめておきたいと思います。
準備するもの
(1) 教材(問題集)
私がお勧めするのは、商業高校で使用している問題集です。全国商業高等学校協会簿記実務検定(以下、全商)に向けたテキストや問題集が一番のお勧めです。ただ、時間に余裕がないという方でいきなり日本商工会議所主催簿記検定(以下、日商)にチャレンジしようとされる場合は日商向けのテキストと問題集をそろえることをお勧めします。この方の書かれている本は、日商2級など上級検定にチャレンジされる場合もお勧めです。ただ、注意してほしいのは、できれば2級の範囲からの教材をいきなり手にするのではなく、全商3級あるいは日商でいう4級あたりから始めてみてください。やはり基礎固めが感じだと私は思うのです。問題集は書き込み式のものが良いですね。コピーをするなどして何回か書いているうちに覚えていきます。
(2) 筆記用具
基本的に帳簿における字や数字はボールペンで書き、合計線や締切線は赤ボールペン引きます。ただし、検定試験では黒のシャープペンや鉛筆で記述するため、学習のときはシャーペンや鉛筆で進めましょう。
(3) 定規
プラスチック製の、透明または半透明のものを勧めます。慣れてくれば構わないのですが、最初は、定規を押さえて隠れてしまう箇所がない方が線を引きやすいです。ペンケースに入るくらいの大きさのものが適当です。大きすぎると邪魔になります。
(4) 計算用具
よっぽど暗算が得意な場合以外は電卓を使用します。確かに初期段階では複雑な計算や、桁数の多い金額は出てきませんが、3級でも検定試験になると計算は結構大変になってきます。また、勘定科目などを覚えていく上で時間がかかることが出てきます。計算は計算機に任せましょう。新しく用意する場合は、桁数の多いもの(少なくとも12桁は欲しい)です。
学習のポイント
(1) 実際に書くこと
「簿記」では次のことを学習していくことになります。
・用語や、勘定科目などを覚えること
・手続きの流れや作表
・計算の方法
これらを同時にやっていくため、いきなり頭で覚えていくだけでは困難です。実際に書いて覚えていくことが大切です。なぜなら、この記事を見てくれている方のほとんどは15歳以上の方だからです。外国語の勉強やスポーツや芸術と同じ。すんなり技術が身につく幼少期ではないということ。習うより慣れることが近道になります。
(2) できれば進度は1日1単元にすること
少なくとも最初の部分(分記法の決算まで)は、慌てないことです。学校や仕事がなく、十分時間がある場合は、問題集の量を増やして確実に進めることが肝心です。もし、あなたの目標が「日商2級」以上にある場合は特にです。最近の日商2級は以前より難しくなっています。2級になってから慌てる人は基礎がしっかりしていない人だといえます。これは、「簿記」に限りません。スポーツ・芸術・学問・料理をはじめ、人間関係などの生き方にも言えることだと私は思います。(忙しくても)毎日学習することが合格への近道ですから、その意味でも一日1単元が良いと思います。
(3) 毎日同じ時間帯に学習することがベター
できればベストは早朝なんです。頭が一番冴えるのは朝です。(この時点であきらめてしまう可能性がある人は当然、昼や夜でも構いませんよ)私の指導するランニングチームも練習は基本的に早朝です。メールやラインに返信する労力より楽ですよ(^^)
(4) 学習の進め方
例題を解く→解説を読む→練習問題を解く。という形で進めること
今回のまとめ
いかがでしたか?今回は学習を始める前の段階で準備することや心構えのコツについて述べました。次回からは、単元ごとのコツについて触れていきます。この記事で出てきた教材などを用意してお待ちいただければ幸いです。ではまた!この記事を読んでいただいた方の今日が良い日になることをお祈りしております。
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